所得税・住民税の医療費控除について確認しておきましょう!!
所得税の医療費控除について確認しておきましょう!!
概要
医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間に自分と自分と生計を一にする配偶者や親族のために自分が負担して支払った医療費が一定額を超えた場合には、既に支払った所得税又はこれから納税する所得税・住民税について、還付をうけたり、納税額を減額することできる制度です
簡単にいうと、
昨年は医療費をたくさん支払って大変だったでしょうから、その分、税金を安くしてあげましょう!!
という制度です
この制度には、以前よりあった「医療費控除」と2017年から施行された「セルフメディケーション税制」があり、その適用は選択制となっていて、併用適用するこは出来なくなっています
医療費控除について知っておこう
医療費控除のルール
◆誰のために支払った医療費か
上記で「自己や自己と生計を一にする配偶者や親族」のために支払った医療費という記載をしましたが、もっと細かくいうと、「6親等内の血族と3親等内の
姻族」と定められています
よって、大抵の親族であれば問題ないと思います
◆「生計を一にする」の条件が大事
では、「生計を一にする」という条件はどのようなものでしょう
国税庁のHPには、以下のとおりの記載があります、
「日常の生活の資を共にすることをいいます
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、 生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、 日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます」
以下の場合には「生計を一」といって問題はないのではないでしょうか
① 同居している配偶者
② 同居している子供
③ 同居している両親で、同じ食卓で食事をしているような場合
※完全に家計が別の場合には生計一とは言えない
④ 別居している子供で、生活費等の面倒を見ている場合
⑤ 別居している両親で、生活費等の面倒を見ている場合
◆扶養の有無は関係なし
医療費を負担してあげた人との間に扶養関係があるかどうか、税務上の扶養控除対象者であるかどうかは関係なく、あくまでも「生計を一にしている親族」のために支払った医療費であれば、その医療機関にかかった人の収入等は関係ありません
例えば、次のような場合は支払った人の医療費控除とすることができます
① 共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合
② 収入がある父親の医療費を負担した場合
③ 生活費の大部分を仕送りしている田舎の両親の医療費を支払った場合
④ 父親に扶養されている母親の医療費を支払った場合
⑤ 収入のある子供の医療費を負担した場合
※ 「生計を一」は条件となります
◆いつ支払った医療費が対象となるのか
医療費控除の計算は暦年ごとに区切って行われるため、その年中に実際に支払ったものだけが対象となります
よって
12月21日~12月31日の入院費を翌年の1月5日に支払ったような場合には、その支払額は翌年の医療費控除の対象となります
◆対象となる医療費の範囲
対象となる医療費の範囲については、大変複雑な判断になるものがありますので、以下いくつかのケースを列挙します
① 医師又は歯科医師による診療費又は治療費
・康診断費用は、原則対象外
・診断書等の書類作成料は、対象外
・謝礼金等は、対象外
② 治療又は療養に必要な医薬品の購入費
・疾病予防や健康増進のための医薬品は、対象外
③ 病院、診療所や助産所へ収容されるための人的役務の提供の単価
・急病やケガなどで病院等へ運ばれる費用がこれにあたります
・交通運賃やタクシー代などが該当しますが、タクシー代についてはすべて
が象となるわけではないので、注意が必要です
④ あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に支払った施術料
⑤ その他
セルフメディケーション税制(平成29年分から選択適用)
こちらについては、次回にご説明いたします。
上記のとおり、医療費控除を受ける場合には、なかなか判断がつかない場合がありますので、専門家に相談することをお勧めします。