どうする?法人成りした際の小規模企業共済手続き!

 個人事業主の時に小規模企業共済へ加入し、その後法人成りをした際の手続き方法についてです。

小規模企業共済とは?

 小規模企業共済制度とは、昭和40年から始まった小規模企業の経営者(個人事業主含む)のための「退職金制度」です。
 下記のいずれかに該当する場合に加入できます。

1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
6. 上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで

所得税の節税対策としても使われていますね。

法人成りをした時の手続き方法

それでは、個人事業主から法人成りをした際の手続きを見ていきましょう。この場合には、「納付月数通算申出書兼契約申込書同一人通算用」という書類の提出が必要です。提出期限は、変更があってから1年未満なので注意が必要です。
1. 独立行政法人 中小企業基盤整備機構へ法人成りをした旨の連絡をする。
“参考:小規模企業共済共済相談室 電話番号050-5541-7171
2. 数日後郵送にて「納付月数通算申出書兼契約申込書 同一人通算用」の書類が
送られてくる。
3. 書類内に記入見本が同封されているためそれに基づき記入をする。
4. 中小基盤整備機構へ郵送をする。
5. 契約者控えが送られてきたら手続き完了。
尚、手続きを忘れていて1年以内に変更の届出が出来なかった場合でも「遅延理由書」を添付すれば受理してもらえるので、中小機構へ相談してみましょう。
 

申込書記入方法

次に、申込書の記入方法です。
法人成りをした場合、記入するのは法人の情報になります。
よって、「事業上の地位」は●●会社の役員等を選択し、「屋号又は会社等の住所」欄についても登記に基づいた情報を記載することになります。

加入したタイミング・解約事由によりもらえる解約金の種類が異なることが分かりますね。

解約手当金の種類

解約金の種類の内容は次のようになります。

 「共済金」に関しては、元本割れすることはありませんが、加入したタイミングにより上乗せ料率に差が出ます。解約手当金は加入期間が20年未満の場合、元本割れしてしまい、共済金と比べると戻ってくる金額が少なくなります。
 通常は、退職・廃業時に受取が可能で「一括」「分割」「一括と分割の併用」の3パターンから受取方法を選ぶことができます。どの受取方法を選択しても税制のメリットも大きいので、早期に解約するべきか慎重に判断すべきです。

共済金・解約手当金の税務処理

  共済金・解約手当金それぞれの場合に税務処理が異なります。
共済金・準共済金を一括で受け取る場合は「退職所得」となり、分割で受け取る場合は「公的年金等の雑所得扱い」となります。また、解約手当金を受け取った場合には、「一時所得扱い」となりますので注意が必要ですね。

まとめ

小規模企業共済制度は将来の退職金を積み立てることができるお得な制度です。
また、もしもの時には掛け金の納付期間に応じて借入をすることもできますので
加入資格がある方には是非加入していただきたい共済制度になります。
掛金月額は1,000円から70,000円の範囲内(500円単位)で選択もできますので
未加入の方は是非検討してみてください。
中小機構 加入シュミレーション

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