法人設立後の税務関係手続きと必要書類まとめ

会社設立は、設立登記を行うだけで完了せず、税務署や各自治体に各種届出が必要となります。
ここでは会社設立後の税務関係の手続きや必要書類について解説します。

税務署への届出書

法人設立届出書

法人を設立すると、設立の日以後2か月以内に法人設立届出書を提出する必要があります。この届出を提出することで、税務署から確定申告書等の税務に関する必要書類が送られてきます。
添付書類として、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)と定款のコピーが必要となります。例外的に、設立時の貸借対照表などその他の書類の添付を求められることもあります。

青色申告の承認申請書

青色申告の承認申請書は設立時の届出書の中でも特に重要な書類となり、提出期限に注意が必要です。次のいずれか早い日の前日までに提出しなければなりません。
・会社設立等の日以後3月を経過した日
・設立等の日の属する事業年度終了の日

こちらの書類を提出すると、下記のような効果があります。

■欠損金の繰越控除

その年の赤字を翌期以降(最大10年間)に繰越し、将来の黒字と相殺することが可能となります。

■中小企業者等の少額減価償却資産の特例

30万円以下の固定資産の全額を一時に償却(費用にすること)が可能となります。

■欠損金の繰戻還付

欠損金額(赤字)が生じた場合において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度に繰り戻して法人税額の還付を請求できます。

給与支払事務所等の開設届書

給与支払い事務所等の開設届書を提出すると、税務署から給料や報酬に係る源泉所得税に関係する書類が送られてきます。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出することで、源泉所得税の納付は半年に1回行うだけで済むようになります。
この届出書を提出していない場合には、原則として毎月納付しなければならないため、手間や資金繰りを考えると、提出した方が良いと言えます。
ただし、従業員が10人以上いる場合には、この申請書を提出しても原則通りに毎月納付しなければならないため注意が必要です。

棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産の評価方法を選択することができます。この届出書を提出しない場合には、法定評価方法により評価することとなります。

減価償却資産の償却方法の届出書

減価償却資産の償却方法を選択するができます。この届出書を提出しない場合には、法定の償却方法により償却することとなります。

申告期限の延長の特例の申請書

会計監査に時間を要するなどの理由により本来の申告期限までに決算が確定しない場合には、特例により確定申告の期限を業年度終了の日(決算日)から3ヶ月に延長することができます。
この場合に、申告期限の延長の特例の申請書を提出することになります。なお、提出する会社は上場企業やその子会社などに限定されます。

消費税に関連する届出書(税務署)

消費税の新設法⼈に該当する旨の届出書

ほとんどの会社が、設立後2年間は消費税を納める必要がない免税事業者に該当します。しかし、資本金の額を1,000万円以上で法人設立を行った場合には、1期目から消費税の納める必要がある課税事業者に該当することとなります。この場合に消費税の新設法人に該当する旨の届出書を提出することになります。

消費税の課税事業者選択届出書

なお、資本金の額が1,000万円以下でも、敢えて消費税の課税事業者になることを選択する場合があります。業種や取引の状況によっては消費税の課税事業者になることで消費税が還付されることが起こりえるため、そのような場合に消費税の課税事業者選択届出書を提出することとなります。

消費税簡易課税選択届出書

消費税の課税事業者になった場合、消費税の計算方法は本則課税(原則的な計算方法)と簡易課税(簡易的な計算方法)の2種類があります。業種や状況によって簡易課税を選択すると税金の計算上有利になる場合があります。
簡易課税を選択する場合には、1期目の事業年度の終了の日までに消費税簡易課税選択届出書を提出しなければなりません。

都税事務所・県税事務所・区役所・市役所への届出書

法人設立・設置届出書

税務署に提出する法人設立届出書と同様に、この書類を提出することで税務処理に必要な書類が送ってもらえます。
東京都の場合には税務署と都税事務所の2か所に提出しますが、東京都以外の道府県の場合には道府県税事務所と市役所の3か所に提出することになります。
新たに支店等を設置した場合にも提出することとなります。

法人税にかかる確定申告書の提出期限の延長の処分等の届出書

法人税の確定申告書の提出期限の延長された場合に提出することになります。

申告書の提出期限の承認申請書

事業税の申告を事業年度終了の日から3か月に延長する場合に申告書の提出期限の承認申請書を提出することになります。

まとめ

税務関係の届出は提出期限に注意することが何よりも重要です。提出のタイミングや期限など判断が難しい場合には税理士に相談することをおすすめします。

 

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