法人休業の届出と注意点

法人を設立後、様々な事情により事業をやめる場合には「休業状態にする」、もしくは「解散する」方法があります。
今回は、休業状態にする際の手続き方法と注意点について説明致します。

休業の届出等

休業が決定した場合には速やかに税務署に書類を提出する必要がありますが、
「休業届」という書類はないので異動届出書を提出します。
また、従業員がいた場合には給与支払い事務所の開設・移転・廃止届出書を税務署へ、社会保険加入事務所であれば健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 を所轄年金事務所へ提出する必要があります。

上記のような休業届を提出した後も、法人は存続していますので
税務申告や役員変更登記手続きは必要です。
休業中でもやらなければいけないことをチェックしておきましょう。

休業時の注意点

休業中であってもやらなければいけない代表的なものは下記になります。

1)税務申告
2)役員変更登記

それぞれについて詳しくみていきましょう。

税務申告の方法

休業中であっても地方税の均等割は発生します。(異動届出書を提出しておくことによって、この均等割が減額または免除される可能性がありますので個別にご確認ください。)
税務申告の方法ですが、別表一のわかりやすい場所に、「休業中」と記載し代表者印を押印して申告所得0円で提出します。
休業中は、事業活動を全く行わないため損益計算書も0円で、貸借対照表の金額も動きはない状態で決算書も添付します。

2期連続で税務申告をしなかった場合には
青色申告が取り消されてしまい、
休業以前にあった繰越欠損金の適用が受けられなくなってしまいます。

営業再開後、繰越欠損金の適用を受けたい場合には
必ず税務申告をしておきましょう。

役員登記変更について

繰り返しになりますが休業中であっても会社は存続していますので、役員登記変更は必要になります。
役員が任期満了になった場合は、取締役のメンバーに全く変更がない場合であっても「重任」の登記が必要になります。(辞任や解任の際も同様です。)
登記を怠った場合、会社法976条により、100万円以下の過料が発生しますので
注意が必要です。

また、毎年1回法務局の職権により最後の登記から12年以上経過している
休眠会社に対して「休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施」が行われます。
上記作業が実施された場合、2か月以内に「事業を廃止していない旨の届出」を提出、
もしくは登記の申請をしない限り登記官によって、みなし解散の登記をされてしまうので
事業存続の可能性があれば注意が必要です。

休業のメリット

上記のポイントを押さえれば比較的簡単な作業で休業することができます。
続いて「解散」ではなく、「休業」を選ぶメリットを見ていきましょう。

廃業よりも費用がかからない

廃業するとなると、解散登記をしなければいけません。
その他にも財産の整理や債務の返済などの精算が必要となり、税理士や司法書士、法務局へ支払う費用が発生しますが
休業の場合には、毎年の均等割を納付すれば良いだけなので
廃業よりも費用がかかりません。

営業再開が簡単

一度、解散してしまった場合には新たに法人を設立することから
始めなければいけませんが、休業の場合には
「異動届出書」を提出するだけなので
比較的簡単に営業を再開することができます。

上記のように、手間と費用がかからずすぐに営業を再開できるのが
休業のメリットと言えます。

まとめ

「解散」「休業」どちらが良いとは一概には言えないので、
今後会社をどのようにしたいのかをじっくり考える必要があります。

「休業」を選んだ際には会社が存続していることを忘れずに
必要な届出・申告を漏らさぬよう注意をしましょう。

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