中古資産の耐用年数

減価償却資産の耐用年数については、耐用年数省令の各別表において、資産の種類、用途等ごとに法定耐用年数が定められていますが、中古で購入した資産の減価償却費を計算する場合には、法定耐用年数とは異なる耐用年数を使用することができます。

原則

中古資産の耐用年数の見積りは、本来、技術的資料に基づいてその事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数(残存耐用年数)を算定することになります。

簡便法

残存耐用年数を見積もるための資料が入手できないとき、その見積りのために多額の費用がかかる等、残存耐用年数の見積りが困難な場合には、次の算式(簡便法)によって残存耐用年数を見積もることができます。

① 法定耐用年数の全部を経過したもの
法定耐用年数×20/100=見積耐用年数
② 法定耐用年数の一部を経過したもの
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20/100=見積耐用年数
(注)計算結果に1年未満の端数が生じるときは、その端数を切り捨て、2年未満の場合は2年とします。

<例1>建物(居住用、鉄筋コンクリート造) 法定耐用年数:47年
① 経過年数50年の場合
47年×20/100=9.4年→9年
② 経過年数25年の場合
(47年-25年)+25年×20/100=27年

<例2>車両(普通自動車) 法定耐用年数:6年
① 経過年数8年の場合
6年×20/100=1.2年→2年
② 経過年数3年の場合
(6年-3年)+3年×20/100=3.6年→3年

資本的支出がある場合

購入した中古資産を事業の用に供するにあたり、その再取得価額(中古資産と同じ新品の資産を取得する場合のその取得価額)の50%を超える資本的支出をした場合には、その資産は事実上、新品同然となるものと認められます。したがって、このような場合には耐用年数の見積りは認められず、法定耐用年数によることになります。

<例>車両(普通自動車) 購入価格20万円 補修費80万円 再取得価額150万円
  80万円>150万円×50%
  ⇒耐用年数の見積りは認められず、法定耐用年数(6年)で償却

まとめ

固定資産は購入してすぐに経費にすることはできず、耐用年数に応じて減価償却を行い徐々に経費になるものなので、新品よりも耐用年数を短く設定することができる中古資産の購入は節税を考える上では有効な手段となります。ただし、耐用年数の見積りが認められない場合があり、また、一度決定した耐用年数はその後に変更することができないので、慎重に決定する必要があります。