不動産賃貸業(個人事業主)の所得税確定申告 【基本編②】

不動産収入計上時の注意点

不動産所得の収入計上時期

1 地代・家賃・共益費などは、契約内容により原則として以下のとおり
  となります。
  ① 契約や慣習などにより支払日が定めれれている場合は、その定められた日
    ※例)契約書に「毎月末日に翌月分を支払う」という記載があれば、
   毎月末日が収益計上の時期ということになるため、
   12月31日に1月分の家賃を計上することになります。
   翌年分の家賃を当年に計上するのには、違和感を覚えるかも
   しれませんが、原則は上記のとおりなのです。
   ただし、貸付期間に対応した経理も認められてはいますので、
   この場合には12月31日に受取った家賃は「前受家賃」で
   経理することも可能です。
  ② 支払日が定められていない場合には、実際に支払いを受けた日
    ただし、請求があった時は、その請求の日
  ③ 賃貸借契約の存否の係争等(未払賃貸料の請求に関する
    係争を除きます。)に係る判決、和解等により不動産の所有者等が
    受け取ることになった係争期間中の賃貸料相当額については、
    その判決、和解等のあった日
     (注) 賃貸料の額に関する係争がある場合に、賃貸料の弁済のために
        供託された金額については、①又は②に掲げる日
2 上記以外のもの
    一時に受取る権利金や礼金は、貸付ける資産の引渡しがあった日、
    引渡しを必要としない場合には、契約の効力発生の日
    名義書換料、承諾料、頭金などの名目で受け取るものについても
    同様です。
     また、敷金や保証金は本来は預り金ですから、受け取っても収入には
なりませんが、返還を要しないものは、返還を要しないことが確定した
日にその金額を収入に計上する必要があります。
3 敷金・保証金等の償却
    店舗や事務所の賃貸借契約書では、次のような文面をよく目にします。
    「敷金の20%は償却として、その返還を要しない」
    これは、「敷引き」といわれ、契約時に一定金額を賃借人に返還
しなくてもよいとする特約になります。
このような、敷金・保証金等の償却の収益計上時期は、敷金等を
返還しないことが確定した日の属する年分で収益計上しなければなりません。
返還しないことが確定した日=契約日ということになりますので、契約した
年分の収入として計上することが必要となるのです。

まとめ

不動産所得の収益計上の時期については、その時期が決められているもの、選択適用できるもの等、
複雑な場合がありますので、不明点については専門家に相談したりしておくことをお勧めします。

不動産関係の税金でお困りの方はこちら

【無料相談受付中】目黒・渋谷の若手税理士 岩崎・長野会計事務所 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――