マイホームの資金援助を受ける場合について(住宅取得資金の贈与等)
概要
マイホームの購入にあたり、父母・祖父母から資金の援助を受ける場合には、その取扱いに際して、いくつかの選択肢が存在します。
①住宅取得資金贈与の非課税制度を利用する
②相続時精算課税を選択する
③贈与ではなく借入金として処理をする
④マイホームの所有権に資金援助をしてくれ人の名義をいれる
等々の選択肢が考えられますので、ご自分の状況にあった方法を選択することをお勧めします。
【住宅取得資金贈与の非課税】
選択① 住宅取得資金贈与の非課税制度
平成27年1月1日から平成33年12月31日までの間に父母や祖父母などの直系尊属からマイホームの新築・取得・増改築等のための資金の贈与を受けた場合には、住宅取得資金の贈与の非課税の制度を利用すると平成30年の贈与であれば、暦年課税の基礎控除とあわせると最大1,310万円までの贈与は贈与税が課税されません。
【相続時精算課税】
選択② 相続時選択課税を選択する
暦年課税を選択せずに、相続時選択課税を選択すると、2,500万円の特別控除と住宅取得資金の贈与の非課税の特例もあわせて選択することができるため、平成30年の贈与であれば最大3,700万円まで贈与税の負担なく贈与を受けることが可能になります。
ただし、相続時精算課税による贈与は、暦年基準を選択しなおすことができないことと、相続時には相続財産に加算されることになるため、その選択には注意が必要です。
選択③ 贈与ではなく借入金として扱う
父母や祖父母から受けた資金を贈与ではなく借入金として扱うことも可能です。この場合には、金銭消費貸借契約書を作成し、贈与ではないことを明らかにししておきましょう。
そして、返済期間及び返済額は常識的な期間及び金額に設定するとともに、毎月きちんと返済を行うことが必要となります。
また、父母や祖父母が返済途中に亡くなった場合には、亡くなった時点での借入金残高が、亡くなった人の貸付金として相続財産となるので、こちらも注意が必要です。
選択④ 援助を受ける金額に応じた名義を登記する
父母や祖父母から資金の援助を受けた場合に、不動産の名義にその資金援助者の出資額に応じた持分を入れて登記することも一つの方法です。
一般的に不動産は現金と比較して相続税評価額がかなり低くなるため、相続税を圧縮することが可能になります。
ただし、資金援助者に相続が発生した場合には、資金援助者の持分ついて遺言書がない限り、遺産分割協議書のより自分が相続することのついて他の相続人の承諾を得る必要があります。
上記のとおり、マイホームの資金の援助を受ける場合には、その資金の取扱い方法の選択肢がいくつもありますので、所得税・贈与税・相続税のことを総合的に判断することが必要になりますので、必ず専門家に相談することをお勧めします。