【整骨院の運営①】売上計上における消費税の考え方
整骨院の売上計上
整骨院の売上には、保険診療収入や自由診療収入、自賠責診療収入、物品販売収入などがあります。
売上を計上するにあたり、それらを明確に区分する必要があります。
理由としては、それぞれ消費税の課税方法に違いがあるためです。
売上科目別 消費税課税区分
売上科目 消費税課税区分
保険診療収入 非課税
自由診療収入 課税
自賠責診療収入 非課税 ※
物品販売収入 課税
※自賠責診療収入については、診断書発行収入などは一部は課税扱いとなるので注意が必要です。
原則課税と簡易課税
消費税の課税区分が「課税」である売上高のことを「消費税課税売上高」といいます。
この消費税課税売上高が、1,000万円を越えると法人の場合は翌々期・個人事業主であれば翌々年に消費税の課税事業者となります。
注)上半期の売上高・給与支払高が1,000万円を越えた場合は、翌期より課税事業者
消費税の納税額を計算する際、原則課税と簡易課税という2つの計算方法があります。
(基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合)
原則課税
自由診療収入や物品販売収入に含まれる消費税(受け取った消費税)から、仕入高や地代家賃・消耗品費に含まれる消費税(支払った消費税)×課税売上割合を除したものを控除した額を納付します。
受け取った消費税 - 支払った消費税 × 課税売上割合 = 納付する消費税
簡易課税
簡易課税の計算では、各業種に応じて「みなし仕入率」が設定されているので、そのみなし仕入率を利用して納付する消費税額を計算します。
受け取った消費税 - 受け取った消費税 × みなし仕入率 = 納付する消費税
整骨院の場合、みなし仕入率は以下の通りとなります。
自由診療収入は第5種(サービス業) みなし仕入率:50%
物品販売収入は第2種(小売業) みなし仕入率:80%
資産を売却した際の収入は第4種(その他の事業) みなし仕入率:60%
どちらの計算方法を選択すれば、納税額が少なくなるのか
一般的に整骨院の場合は、簡易課税を選択することで納税額は少なくなると考えられます。
但し、簡易課税には2年間継続して選択をしなければならないという決まりがあります。
来期・再来期における出店計画や資産の購入などを見据えて、慎重に選択する必要があります。
尚、簡易課税を選択する場合は期の初日の前日までに所轄税務署に届出書を提出する必要がありますので、ご注意ください。