FLRコスト比率

今回はFLRコスト比率についてお話しさせて頂きます。
飲食店経営で使用される指標の1っで、飲食店で利益を出せるか否かを判断する
材料となります。

FLRコストとは

FLRコストのF・L・Rは飲食店の3大コストの頭文字を取ったものを言います。
Fは「Food(材料費)」、Lは「Labor(人件費)」、Rは「Rent(家賃)」です。
この3大コストを出来る限り低く抑えることで利益を多く出せることに繋がります。

F(材料費)

飲食の原価となる材料やドリンク仕入のコストを指します。
ここでは実際に仕入れた金額から在庫の金額を差し引いた金額を使用します
毎月の在庫集計が難しい場合は仕入れた金額のみでも構いません。

L(人件費)

役員報酬、給料手当、雑給、賞与の他に法定福利費、福利厚生費、研修費などのコストを
含んで計算します。個人事業主の場合はご家族に支給する専従者給与も含まれます。

R(家賃)

店舗の家賃や共益費などです。
自己が所有している店舗の場合は固定資産税の負担額などを使用します。

FLRコスト比率とは

FLRコスト比率とは売上に対する各コストの割合を言います。
一般的にFL(材料費+人件費)が売上に対して60%以内、FLR(材料費+人件費+家賃)が
売上に対して70%以内に抑えることが理想とされています。
もちろん、飲食店の中には原価率が高い店や低い店もありますので理想値は多少前後することはあります。

また、個々の内訳では下記の割合が目安となります。

①F(材料費)30%
②L(人件費)30%
③R(家賃)10%

あくまでも理想値ではありますが、この比率を意識して守っていくことで
安定的に利益が生まれていくことになると思います。
この他に広告宣伝費、水道代・電気代などの水道光熱費、店舗などで使用する消耗品費、
その他の諸費用を売上に対して10%~20%に抑えることができれば
売上の10%~20%が利益として残ることになります。
利益を内部留保したり、借入金の返済に充てることもできるようになります。

FLRコスト比率による事業変化の確認

FLRコスト比率は難しくありませんので、飲食店を経営されている方には
FLRコスト比率を毎月チェックして頂きたいと思っています。

毎月チェックすることは事業変化の確認ができるようになります。

F(材料費)の比率が現状高い場合や通常月より比率が高くなってしまった場合は仕入先の変更や無駄なものを購入していないかなどの検討材料になったり、在庫ロスの原因を考えるきっかけにもなります。

F(人件費)の比率が高い場合は従業員の人数が店舗の規模に比べて多かったり、無駄な残業
時間が多かったなどの理由が考えられます。適正な人員や労働時間の見直しをするにあたり参考になります。

R(家賃)の比率が高い場合は売上規模に対して家賃が見合っていないケースが考えられます。
飲食店ですので一度出店した場合にすぐに店舗の移転はなかなか考えにくいことですが、新規にオープンする店舗の場合は目標の売上規模の10%に家賃が納まっているかなどの目安にできると思います。

まとめ

今回のテーマは飲食店業で使用するFLRコスト比率についてお話させて頂きました。売上と材料費と人件費と家賃の数字が分かればどなたでもすぐに計算できます。
飲食店業をやられている方やこれから開業される方にはぜひ参考にして頂ければと
思います。

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