社内イベントの景品は経費計上できるのか?
会社の忘年会などの社内イベントの際にレクリエーションとして景品を用意するというケースがあります。
この景品を会社で用意する場合、景品の購入費用は法人の経費として計上することできるのでしょうか?
景品を会社で用意する場合の考え方・注意点を解説します。
給与課税される可能性
判断基準
会社で景品を用意する際に問題となるのが、その景品がもらった従業員に対する「給与課税」の対象となるかどうかです。
給与課税の対象となるかどうかの判断基準は、以下のような要素を総合的に見て判断されることとなります。
・景品を受取る人の選出方法に偶然性が強いこと
・景品が高価なものでないこと
・勤務の対価としての性格がないこと
給与課税される場合の取り扱い
給与課税される場合は、その景品を受け取った人の給与所得として取り扱うこととなります。
役員の場合
景品を役員が受取り、役員に対する給与(役員報酬)とみなされた場合、法人はその給与に対する所得税の源泉徴収を行い、源泉所得税の納付が必要となります。
景品の購入費用については役員報酬とみなされるため、役員報酬の定期同額給与の規定を満たさないこととなり、法人税計算においては損金不算入となります。
従業員の場合
景品を役員ではない従業員が受取り、その従業員に対する給与とみなされた場合、法人はその給与に対する所得税の源泉徴収を行い、源泉所得税の納付が必要となります。
景品の購入費用については給与手当とみなされるため、役員報酬のように定期同額のルールはないことから、法人税計算においては損金算入となります。
給与課税されない場合の取り扱い
給与課税されない場合は、景品を受け取った人の一時所得として取り扱うこととなります。
一時所得の計算
一時所得の金額は、収入金額から収入を得るために支出した金額を控除し、最高50万円の控除を差し引いて計算します。
つまり、50万円の特別控除があるため、景品が50万円以下であれば一時所得は0円ということになります。
50万円の景品を用意した場合
では、一時所得の特別控除の範囲内の50万円の景品を用意した場合、どのように取り扱われるのかを考えたいと思います。
この場合は、給与課税されるかどうかの判断基準において、景品が高価なものであるとして、給与とみなされる可能性が高いと考えられます。
つまり、一時所得ではなく給与所得となるため、特別控除は利用できず、50万円が給与所得として課税されることとなります。
まとめ
社内イベントなどで景品が給与とみなされるかどうかの判断には、明確な基準はなく、その実態からの総合的な判断となります。
そのため、税務調査などで指摘を受けてないためにも、会社としては慎重に取り扱いを検討する必要があります。