確定申告・年末調整で注意!国外居住親族の扶養控除等を受けるためには

扶養親族がいる場合は、扶養控除等で税金が安くなる

自分の親や子供などを扶養している方は、所得税・住民税の計算において、扶養控除などの控除を受けることができ、税金が安くなります。
この扶養控除は、その扶養する親族が国内に住んでいる場合、国外に住んでいる場合のどちらでも対象となります。
ただ、国外に住んでいる親族を扶養している方については、その手続きにおいて注意が必要です。

国外に住んでいる親族の扶養控除等をうけるためには書類提出が必要

提出が必要な2種類の書類

国外に住んでいる親族に対して生活費を送るなどの扶養を行っている方が、扶養控除等を受けるためには、それを証明するための書類の提出が必要になります。
提出が必要な書類は以下の2つです。
 ・親族関係書類
 ・送金関係書類

親族関係書類とは?

「親族関係書類」とは、国外に住んでいる親族が、申告を行う本人の親族であることを証明するための書類です。
以下のいずれかの書類になります。
 ①戸籍の附票の写しその他の国または地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
 ②外国政府または地方公共団体が発行した書類
  (国外居住親族の氏名、生年月日、住所または居所の記載があるものに限る)

②は具体的には、「戸籍謄本」「出生証明書」「婚姻証明書」などになります。

送金関係書類とは?

「送金関係書類」とは、国外に住んでいる親族を扶養していることを証明するための書類です。生活費や教育費に充てるためのお金を渡していることを証明することが必要になります。
以下の書類が送金関係書類になります。
 ①金融機関の書類またはその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に
  支払ったことを明らかにする書類
 ②クレジットカード発行会社の書類またはその写しで、国外居住者がそのクレジットカード発行会社
  が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購
  入等の代金に相当する額のその金銭をその居住者から受領した、または受領することとなることを
  明らかにする書類

少し具体的に説明します。
①は、「外国送金依頼書の控え」がこれに該当します。
②は、「クレジットカードの利用明細書」です。
クレジットカードの利用明細書のなかでも、居住者が契約者で、国外居住親族が利用するために発行したもの、いわゆる家族カードの利用明細書であれば、これに該当します。

どこに提出・提示する必要があるのか

年末調整を行う方

勤務している会社で給与の年末調整を行う方は、勤務先の会社に「親族関係書類」「送金関係書類」を提出または提示することが必要になります。

確定申告を行う方

確定申告を行う方は、「親族関係書類」「送金関係書類」を確定申告書に添付して提出、または確定申告書を提出する際に提示することが必要になります。

「親族関係書類」「送金関係書類」が外国語の場合はどうする?

「親族関係書類」「送金関係書類」が外国語で作成されている場合には、その翻訳文も合わせて提出または提示する必要があります。

現金で手渡しをしている場合は?

生活費や教育費を銀行からの送金ではなく、現金で手渡しをしているため「送金関係類」がないという場合は、扶養控除等を適用することができません。扶養控除等を受けるためには、「送金関係書類」の提出・提示が必須であるため、証明できる書類が残るように注意をしてください。
 

まとめ

国外に住んでいる親族の扶養控除等を受ける場合には、「親族関係書類」「送金関係書類」の提出・提示は必須です。
年末調整を行う人は、会社に年末調整の書類を提出する際に、確定申告を行う方は、確定申告書を提出するまでに、これらの書類をしっかり揃えておきましょう。