所得税と住民税の違い
個人の所得に応じて課税される「所得税」と「住民税」
イメージでは違いがわかるものの、正確には理解されていない方も多いのではないでしょうか。
そんな「所得税」と「住民税」について解説します。
税額の算出方法
会社勤めの方だと、所得税と住民税はどちらも給与から天引きされているケースが多いかと思います。
しかし所得税は「国税」住民税は「地方税」ですので、天引きしている会社が納めている先は異なります。
また、所得税はその月に支給される給与の額に対して計算されていますが、
住民税は前年の1月~12月の所得に応じて決定していますので、
支給月の給与が多くても少なくても増減しません。
給与天引きではない方については下記の通りです。
確定申告(所得税)では、1月分~12月分を翌年3月に申告します。
住民税は、お住まいの自治体が確定申告の内容を元に5月に住民税を算出し、納付書が届きます。
給与天引きの場合は、年間の合計額を12で割った金額となりますが、
個人宛に納付書が届く場合は年4回又は一括での納付となります。
もちろんいずれの納付方法でも支払合計額は同じです。
税率
所得税は所得が高くなれば、課税される税率も高くなる累進課税が採用されています。
最も低い税率が5%。所得が高くなると45%となります。
一方、住民税は所得の多い少ないに関係なく課税所得の10%が一律に課税されます。
所得控除額の違い
所得税にも住民税も一定の所得控除が設けられています。
しかし、その金額は同じではありません。
所得控除(人的控除)
所得控除(物的控除)
住宅ローン控除
自身の居住用の住宅をローンで購入した場合、
一定の要件をクリアすれば住宅ローン控除を受けられます。
各年の控除限度額は40万円(認定長期優良住宅等の場合は50万円)。
この控除額が原則所得税から税額控除されます。
しかし、所得税が控除限度額を下回る方もいらっしゃいます。
例 :所得税(住宅ローン控除前) :35万円
住宅ローン控除額 :40万円
この場合、所得税から控除しきれなかった5万円は住民税より控除されます。
特別な手続きは不要です。
年末調整又は確定申告にて、住宅ローン控除を申請していれば自動的に住民税より控除されます。
ふるさと納税
ふるさと納税は控除の上限額までであれば、寄付をした合計金額から2,000円を差し引いた額が
翌年納める住民税、さらに所得税はは還付という形式で控除になります。
但し、上限額はそれぞれの所得や控除の金額により異なるため上限を確認することが必要です。
イメージ出典:ふるさとチョイス
まとめ
所得税と住民税はこの国で暮らす多くの人に関係している税金です。
多くの部分でリンクし合う両税金ですが、全てが一致しているわけではありません。
中身を知ることでより身近に感じるかもしれませんね。