タックスヘイブンの仕組み確認を行ったのでその話
おはようございます。本迫です。
本日はタックスヘイブンの仕組み確認を行ったのでそれに関する話をメモがてら書きます。
(お役立ち情報で書かないのは、この分野は税理士の中でも特殊な論点のため、私の知識ではざっくりしか書けないため。)
実際の手順などは書かず、本案件に取り組むときの足掛かりになるような考え方とかをメモしておきます。
1.タックスヘイブンとは
世界には税率が低い国が存在しています。この税率が低い国やエリアは、タックスヘイブンと呼ばれたりします。
この税率が国によって異なるという構造を駆使して、税率が低い国で利益を生む事業を行えば、
税率が高い国で事業を行うよりも利益を会社に残すことができます。
その税率が低い国でしか活動していない事業者であれば、特に問題はない話ですが、国をまたいで活動する事業者であれば、
税率が低い国に利益が集中してたまるようにするといった税逃れができる可能性がこの問題には潜んでいます。
この問題の解消とまではいえないですが、国際的な税逃れ対策の仕組みとしてタックスヘイブン対策税制があります。
この税制は現在では「外国子会社合算税制」と呼称の変更もされています。
2.対象者
税制度は原則としてあくまで国単位で存在しているため、対策税制の網は、日本の国内で事業を行う者もしくは、
日本の居住者に対して設定されることとなります。日本にかかわりがない事業者にまで税はかけられないためです。
3.対策税制の仕組みのイメージ
税率が低い国で事業を行う事業者が得た利益に対して、日本の事業者が利益を得たかのうように捉えて、
日本として課税を行っていく。そのようなイメージで課税されることになります。
つまり、国際的な仕組みづくりをして、日本で事業をしてないように装ったとしても、日本に関わりがあるものが
無理にその仕組みを作っているようなケースは、この対策税制の網にかかり、結局日本で税金を課しますよということです。
4.タックスヘイブン関係の問題が起きそうなときに考えること
①税制改正の現況を確認する
この税制度は、実世界に存在する実例を見て、実際に課税上の問題がある事例が見つかるたびに更新されていくような
いたちごっこが続いている税制度です。
そのため、税制創設以来、かなりの高頻度で税制改正がされており、近年は毎年のように改正項目が発生しています。
そのため、現在の税制に沿った判断を正しく行えているかどうかの確認が重要になります。
難解な税制でありますので、解説資料を参考にすることがどうしても多くなりますが、いつ時点の税制の解説なのか
を見落とさないようにすることが大事です。
②適用除外にできないかどうか
実務で実際に外国子会社合算税制が適用され、日本で課税を受けるということはあまり多くないと思われます。
大きな国際的な取引がある法人であれば別ですが事業者の多くは国内完結のビジネスであったり、規模がそこまで
大きくない場合が多く、この税制に対する対策をそもそも行う必要がないということがあるわけです。
そのため、実際に適用される可能性があるかどうか、様々な足切りポイントがあるため、
いずれかの項目で適用除外対応で問題ないと判断がつけばそこまでの対応で良いわけで、
外国法人の細かな資料チェックをせずとも適用除外判断を下すことができることがあります。
フローチャートがある程度決まった形で存在するのでそれに従ってチェックするのが良いです。
③実際に課税が起きそうな場合
一般的な街の税理士では対処しきれない可能性が高いため、より専門的にこの税制に詳しい税理士に協力を仰いで
対応していくことが良いと考えます。そのため、もしこの税制による課税が生じる取引構造になっている場合は、
適用除外の仕組みに変えていくなどの検討も必要です。専門知識を持つ税理士への依頼が必要になるレベルなわけですから
高額な報酬がかかってしまう可能性が高いです。
5.さいごに
本税制に関わるような事例が出た際には、安易に前年同様で構わないという判断を下さないことが大事です。
必ず1事業年度ごとに、本年度の場合はこの判断で問題ないという確認を行いましょう。
メモは以上です。
最近の自分事も少し書いておきます。
近場にスーパー銭湯ができたのでときどきこちらに出没してます。
飛び込み型の水風呂があるのが珍しい特徴になってる感じです。